知財渉外にて

2008年3月~2014年9月までの間、知財渉外ネタを中心に書いてきました。

ワーク・ライフ・バランスを保つしくみ

仕事が楽しい。(すみません唐突で)

以前、コーチングを受けたときにキャリアの棚卸しをし、自分がどんな仕事のときにモチベーションが上がるかを検討した。そのときに出てきた大まかな結論としては、仕事の種類というよりは環境づくり・システム作りをするのが好きだということだった。

そして、現在の私の仕事の半分は、この手の環境・システム作りである。おまけにシステムが整っていないのでやることは山積み、どれも早急に整えて実務ルーティンが回るようにしなければいけないから優先度も高い。

事務所勤務の頃も、この手のシステム化は必要性を感じて手を出していたけれども、いかんせん業務の内容が明細書を書いてそれによって売上を立てるという労働集約的なもので、しかも直接部門で売上を立てるのが必須だから、間接業務も甚だしいこの手の仕事は後回しにされ、評価もされないという悲しい状況だったのだ。実際そんなことをやっていないでもっと書いて売上を上げろと何度言われたことか。まあそのあたりが転職に踏み切らせた一因な訳だが。

現在は直接売上を立てるプロフィットセンターではなく、事業支援部門であるから、しっかりその機能を果たすためにシステム作りは欠かせない。今までほとんどシステム作りがされておらず、人に頼っていた結果いろいろなところに問題が出てきているので、それを正常に回るようにするために各種の施策が必要なのである。

そんなふうに、好きな種類の仕事であって、さらに今までの経験が直接生かされる得意分野でもあるから、冒頭の『仕事が楽しい』状況になるわけだ。するとどうなるか。いくら仕事をしていても飽きないし、仕事の方もそんな状況なので尽きない。きっと放っておいたら連日深夜残業になってしまうだろう。ワーカホリックだな。

しかし、現実は、小学生息子が二人いて、夫も製造業で営業企画という激務系のため、毎晩家を空けるわけにはいかない。自分一人なら家がどんな状態でも後回しにできるし、外食や中食ですませたって誰も文句は言わないが、育ち盛りの子どもを抱えてそんなわけにもいかない。食事にも気を配って、家事を仕込んで生活を回すということがどういうことかを理解させる必要がある。いつまでも若くはないので自分たちの健康にも気を配る必要があることにも気づく。

というわけで、実際の生活は、延々と仕事をするわけではなくて、火曜と木曜は定時30分後の電車に乗って帰宅し、夕食を整え、子どもたちと過ごす。子どもが寝る頃にジムに出かける。その他の日は予定が入れば夫と調整、入らなければ同様に早々に帰宅する。毎日家族揃って夕食が取れればよいのだが、なかなかそうも行かないので平日は当番制になっている。夫婦二人とも夜に予定が入れば子どもたちだけで夜を過ごしてもらうが、これも頻度が上がりすぎると問題が多いので2週間に1度まで。

仕事のおもしろさが昂じてもっと思い切り打ち込みたいと思うこともしばしばあるが、きっと子どもたちがいてそのための時間があり、そのような時間を過ごすことから自分のために必要な他のことにも目が行き、自分のためにも時間を使うというワークライフバランスが取れているのだろうと思う。逆に言えば、そのような枷のないところで、現在の日本の労働環境(非正規社員が多く、正規社員は長時間労働の激務が蔓延)では、自覚的にバランスを取るのはかなり難しいのではないだろうか。今話題の『婚活時代』でも取り上げられたが、結婚していないビジネスマンは他にやることがないので延々と会社に居続けてだらだら仕事をするので経営者が困っているとか。時間がいくらでもあると思うと(=残業すればいいと思うと)確かに効率は上がりにくい。

「婚活」時代 (ディスカヴァー携書)

「婚活」時代 (ディスカヴァー携書)

忙しい人が、目の前のタスクではなくて長期的に必要なことをしっかり実行するためにはそのための時間を予め取り置きしてしまうというのはよく言われること。そうせざるを得ない環境を自分で用意するというのが重要なのだろう。

それでも事務所勤務で裁量労働だった頃と比べると、朝9時前から午後6時まで必ず会社にいる必要がある現在は、仕事に集中して使える時間は十分長い。以前は、朝の始末をしてから出かけて出社は9時半頃、お迎えに間に合うように遅くても午後5時には帰宅していた。その代わり仕事は毎日持ち帰って午後10時から12時くらいは毎晩明細書を書くなり赤入れをするなりしていたのだが。今は朝が早いので11時には就寝しないと寝不足で辛くなる。11時に寝ようと思うとほとんど持帰って仕事をするのは無理。ここで時間を無理矢理取るよりもしっかり眠って冴えた頭で会社にいる間に集中してこなした方がよいだろう。

目下の懸念は、自分の時間の使い方。色々あってオケ活動が長期休業中。このまま行くと楽器も弾かなくてフェイドアウトしてしまいそう。音楽を楽しむのは人生の楽しみの大きな部分を占めているはずなんだけどなぁ。