知財渉外にて

2008年3月~2014年9月までの間、知財渉外ネタを中心に書いてきました。

イシューからはじめよ

BLJの2011年3月号の書評欄で見かけて即ポチった本。

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

というのも、カタカナ語好きの件の上司の口癖が、

その件のイシューは何?

なのだが、どうもこの『イシュー』という英語が自分の語感としてしっくり来ていなくて、何を問われているのかいまひとつピンと来ないでいたため。

本書によれば、イシューとは、以下の(a)(b)の両方を満たすもの。

(a)2つ以上の集団の間で決着のついていない問題
a matter that is in dispute between two or more parties
(b)根本にかかわる、もしくは白黒がはっきりしていない問題
a vital or unsettled matter

この定義だけでは分かったような分からないような、という感じだが、要は、『これは何に答えを出すためのものなのか』ということ。もちろん、本書は、『イシュー』を考える話で終わっているわけではなく、見極めたイシューに基づいて解の質を高めていくところまでが書かれているのだが、私としては、いままでぼんやり考えてきたために、発想にかなり転換が必要になるので、ひとまずイシューを分解するところまでを重点的に見ておく。

読んだだけではなかなか実践できないので、抜き書きメモを(手書きで)作った。それでもまだまだ、という感じなのでさらにここにもメモ。ブログだと後から自分で振り返りやすいので。

・生産性とは、どれだけのインプット(投下した労力と時間)で、どれだけのアウトプット(成果)を生み出せたか。

・意味あるアウトプット=バリューのある仕事とは、(1)イシュー度と(2)解の質の両方が高いもの。
(1)イシューの度合いは、自分の置かれた局面で、この問題に答えを出す必要性の高さ
(2)解の質は、そのイシューに対して、どこまで明確に答えを出せているか

・イシューを見極める→解の質を高める:バリューのある仕事(成果)

【イシューの見極め】
・イシューを見極めるためには、以下の判断が必要→経験と『見立てる力』が必要
(a)実際にインパクトがあるか
(b)説得力ある形で検証できるか
(c)想定する受け手にそれを伝えられるか

・イシューの立て方
(1)主語と動詞を入れた『文』にする→曖昧さが消え、仮説の精度が高まる
(2)「WHY」より「WHERE」「WHAT」「HOW」:何について白黒をはっきりさせるのか
(3)比較表現を入れる:Aではなくて、むしろB

・よいイシューの3条件
(1)本質的な選択肢である:これに答えが出るとその先の検討方向性に大きな影響がある
(2)深い仮説がある:検証できれば価値を生むことが明確
(3)答えを出せる:既存のやり方・技術で答えが出せない問題は実は多い

【解の質を高める】 イシュー分析:ストーリーライン→絵コンテ
=サブイシューの洗い出しと分析のイメージ作り

・イシューを分解する
(1)型を使う
 ・WHERE, WHAT, HOW
 ・機能、形態、仕組み
(2)逆算する:最後に欲しいものは何か

<イシューを分解する効用>
(1)課題の全体像が見えやすくなる
(2)サブイシューのうち、取り組む優先順位の高いものが見えやすくなる

・分解したサブイシューについてそれぞれ仮説を立てる

・サブイシュー(仮説)を並べてストーリーラインを組み立てる
  WHYの並び立て
  空・雨・傘

しばらく何をするにも座右の銘宜しくメモ片手にうなりそうである。自然にできるようになるのはいつのことやら。