知財渉外にて

2008年3月~2014年9月までの間、知財渉外ネタを中心に書いてきました。

若手のギモン(14):及び/又は

クレームチェックをしていた若手2号君。「A及び/又はB」というフレーズに突き当たり、

これ、草案を考えているときに、どっちにしようかな、と思っていてそのまま残っちゃったのかと思ったんですが。

(そりゃないでしょう)

A及びB、の場合と、AかBのどちらか一方だけの場合、のどちらも含むという意味なんですね。

(特許事務所に質問したらしい)

で、僕、AまたはBには、A、B、AとBの3つとも含まれると思ってたんですが(と、ベン図を描く)。
だから、「A及び/又はB」みたいにしなくても、「AまたはB」でいいんじゃないかと。

この場では、「AまたはB」は、どちらか一方だけの場合を指していて、AとBの両方の場合は含まれないと答えたのだけれど(通常明細書ではそう解釈されると思う。)、ネットで検索していたら、

「AまたはB」は日常用語ではどちらか一方だけを指すことが多いが、数学用語の場合は「AとBの少なくとも一方」の意味であり、AとBの両方の場合も含むから注意

という趣旨の記載があり、びっくりして広辞苑を引いてみた。そしたら、確かに両方の意味が載っていた。
(広辞苑第六版)

または【又は】
これかあれかと並べて言う時に用いる語。
(1)A・B・・・の少なくとも一つが成り立つ意。『父または母が来る』
(2)A・B・・・のどれか一つだけが成り立つ意。『一日・二日または三日に行く』

これで行くと、(1)の例では父と母の両方が連れ立って来てもよいわけですね。てっきり父か母のどちらか1人だけが来るのだと思ってました。日常用語では両用される、ってことですが、法令用語ではどうなんでしょ?法務クラスタのみなさま、ご教示下さいまし。

ともあれ、明細書にしろ契約書にしろ、両用に意味が取られる可能性のある語は危ないので使用しないか定義するかが鉄則。「または」の定義を置くのもなんだかなぁなので、ここは使わない一手だろう。で、冒頭の「A及び/又はB」が登場するわけだが、これは要するに英語の「and/or」の流用で、もともと日本語にはない用法。最近は契約書でも明細書でもちょいちょい目にするようになったとはいえ、ちゃんと日本語を使おうよ、と思ったりする。

(1)の意味なら、「A及びBの少なくとも一方」
(2)の意味なら、「A及びBのいずれか(一方)」

これで明快だと思うんだけど。