知財渉外にて

2008年3月~2014年9月までの間、知財渉外ネタを中心に書いてきました。

中国特許制度研修:概観

久方ぶりに朝9時半から夕方4時半までの1日コースの研修を受講。おまけに4日間のシリーズである(さすがに連続ではないが)。受講中のPC等電子機器の使用が禁止されていることもあり、メールチェックも休憩時間のみで(休憩の度に色々メール上で起こっていてドキドキハラハラしたが)、インプットに注力した1日だった。なんて贅沢なんでしょう。と幸せを噛みしめてみたり。

本日は初日で、中国専利法の沿革や体制といった概観と、特許要件(法、実施細則、審査指南などの各種資料を根拠として)の説明だった。実務はけっこうやっているが、彼の国と日本との違いに戸惑うこともまだまだ多く、なんとなく実感しているが理由がよく分かっていないこともあり、みっちり特許要件を説明してもらって腑に落ちたところも色々あって得るところが多かった。

今日のところは統計の話だけ覚えのために書いておく。

■専利出願の状況(2011年)
 発明   526,412件  32.2%
 実用新案 585,467件  35.8%
 意匠   521,468件  32.0%
 合計  1,633,347件

うち、国内の出願人によるもの
 発明   415,829件  27.7%
 実用新案 581,303件  38.6%
 意匠   507,538件  33.7%
 合計  1,504,670件

海外の出願人によるもの
 発明   110,583件  85.9%
 実用新案  4,164件   3.3%
 意匠    13,930件  10.8%
 合計   128,677件

実用新案の国内出願率は突出して高い。この国の実用新案は、実体審査がなく、初歩審査のみで登録になり、後から無効にしようにも進歩性判断の基準が低いのでなかなか無効にならず、さらに日本と違って権利行使の際に技術評価書が義務づけられていないので特許と同じように権利行使ができて巨額の損害賠償の可能性がある、という被疑侵害者側から見ると恐ろしいしろもの。

海外の出願人がなぜ特許に集中していて実用新案を使わないのかという質問に対する明快な答えは得られなかった。ただ、国内で盛んに実用新案が出願される理由の一つに、地方の行政機関が盛んに出願を奨励し、補助を行っているということが挙げられるそうな。そして、登録が得られると、それによって保持者の企業に税の優遇措置があったりするとか。このため、そして、実体審査がなく登録になるために、あからさまに従前からあるものそのままの出願なども見られるようになってきており、SIPOでも問題になってきているとか。一見して分かるようなものは初歩審査ではねるようにするなどの運用も検討されているという話だった。へぇ〜。

■全国の人民法印が受理した特許民事案件の件数(2011年)
 特許民事  7819件  13.06%
 商標民事 12,991件  21.69%
 著作権  35,185件  58.76%
 技術契約   557件   0.93%
 不正競争  1,137件   1.90%
 その他   2,193件   3.66%
 合計   59,882件

と、聞いてたときは気がつかなかったけど、実用新案がないよ?その他の中?不明。。ちなみに日本の知財訴訟は確か600件とか700件/年だったような記憶。それこそ桁違い。

特許要件でへぇ〜と思ったところもいくつかあるので、追々書きます。眠いので本日はここまでで。