知財渉外にて

2008年3月~2014年9月までの間、知財渉外ネタを中心に書いてきました。

法務系雑誌2種

ちょうど発売日近辺、ということであちこち?で話題になっていたこともあり、セミナーで大阪に行ったついでにジュンク堂へ足を伸ばして買ってきた(知財協の関西事務所とジュンク堂の大阪本店は同じビルにあって何度も行っているのだが、今日のセミナー会場から行ったらなんだかルートがいつの間にか知らないところに迷い込んでいてぐるぐるしてしまった。。。)。

BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2013年 01月号 [雑誌]

BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2013年 01月号 [雑誌]

ビジネス法務 2013年 01月号 [雑誌]

ビジネス法務 2013年 01月号 [雑誌]

ここ2年ほど人よりも書類を相手にする仕事?をしてきたこともあり、なんだか感覚が鈍くなっていたのだけれど、好むと好まざるとに関わらず、人相手の仕事にどっぷり戻るというかさらにそっちに振れざるを得なくなっている状況があるので、どちらも大変参考になった。

とくに深く深く頷いてしまったのは、ビジネス法務の特集1の最後の記事、『営業部の信頼を得る社内コミュニケーション術』で、全くその通りだよな〜、と思いつつも、ここまで徹底できているだろうかと自問するところが多かった。

記事の中の項目の1つに『説明は簡潔に!可能な限り短く』というのがあり、その中で、筆者は

常日ごろ,ビジネスマンはA4用紙2枚半以上の文章は読まないと思え,と部下に言ってきた(まあ、それはたとえ話だが)。

と書かれている。う、うらやましい。うちの社員は複数ページの文章は読まないぞ(爆。

また、ビジネスロー・ジャーナルのクロスボーダー契約のリスク特集では、法務担当の方の書かれた記事が2本あり(①実務の目線で整理する検討・確認プロセス、②事業担当者とのやりとりからビジネスに潜むリスクを検知)、どちらも事実・背景たるビジネス自体について把握・確認が重要と書かれている。

特に②では、事業担当者からのヒヤリングの重要性を説かれており、常に肝に銘じるべきと思う一方で、ヒヤリングする際の聞き出し方って相手(事業担当者)がどれだけモノを考えているかに左右されてしまうところがあって難しいよなぁ、等と思ったことだった。

例えば、事業のスキームで理由まで確認する必要がある、との指摘が①にあるが、担当によっては理由を全く考えてもいない、ということがあり得る(残念ながら、そうした事例に事欠かない)。理由がないわけではなくて、理由はなんだ、と言葉にして考えたことがないので、理由はなんですか?と問われても答えられない、ということ。

こちらから、『ひょっとするとこういう理由ですか?それとも、こんなことがあるかもしれないってことですか?』と想定していくつか突っ込んで聞いてやれば、ああ、そうそう、そうなんですよ、とか、いや、そうじゃなくて、こうなんです、等という回答が返ってくる。

これって、ヒヤリングの力としては相当高度なものが要求されていて、ヒヤリング自体のスキルと言うより、自社のビジネスのスタイルとか、これまでのビジネスで何をやってきたとか、業界の特徴とか、製品の売り方とか、諸々をヒヤリングする側がみっちり知っていて、そこから応用してこんなことを考えてるんじゃないか、と想像して質問しないと正解にたどり着かないわけで、それって、現場に張り付いていないとかなり難しいんじゃないかと思う。

事業担当者にももう少し考える習慣をつけてもらいつつ、法務の側も現場を知るというか距離を縮める努力をする、っていうことなんだろうけど、それが全くないところから歩み寄るってもの凄く重たいな〜、と思ったことだった。