知財渉外にて

2008年3月~2014年9月までの間、知財渉外ネタを中心に書いてきました。

違うのはマインドセットなのか?

昨日のエントリを読んでもらうと明らかなように、今の実務作業時間の割合は、おおよそ

・渉外 1割
・商標 1割
・権利化 8割

というところだと思う。権利化業務の方は、新規の国内出願の半数と、中間処理の大半を引き受けていて、半端でないボリュームがあるので、やってもやっても終わらないし時間が足りないわけだけれども、この忙しさはなんというか処理のレベルの忙しさで、物理的な作業量の問題という感じがしている。

おそらく、私のやっている業務にクリエイティブなところがほとんどかけらもなくて、産みの苦しみも(楽しみも)ない代わりにプレッシャーもほとんどないからだろう。なにしろ発明発掘は別の担当者がやっており、発明届が出てきて事務所との面談から参加して権利化の方針だけ立案し、それに沿って明細書が書かれているかをチェックするのが仕事なので、発明の創造も特許明細書を作り上げるクリエイティビティも両方人任せで、ストーリーの方向性(枠の中に話を納める)決めとそこから出て迷走しないようにするガイドの役割なんですな。

なので、忙しいからといって、夜夢に見るとか、布団に入ってもつい仕事のことを考えてしまって寝付けないとか、休みの日も頭から離れなくて3日くらい胃が痛いとか、役員に説明してもわかってもらえなくてぐったりするとか、ということはない。おわかりと思うが、こんなことは渉外どっぷりやってると日常茶飯事におこるわけで、まあそれが仕事で望んでやってるわけで、本望だといいつつも、体に悪いわね、という感じだったわけである。

んで、プレッシャーから解放されて楽〜となってうまくいってるかというと、こんどは渉外系のメールが海外代理人から入ってきたりすると、一目見てまず

面倒

と思ってしまう昨今である。おなじことを少し前までは格段に多い頻度とボリュームでがっぷり四つにやっていて、特に面倒だとか思わなかったんですが。

思うに、渉外系の仕事って、処理じゃすまないことが多いので、常にちゃんと正面から取り組んで頭をガッツリ使ってやらないといけなくて、時間がかかるというよりは頭の使い方が深いというか集中力が大変要求されるのだと。それが、時間の大半権利化に割かざるを得ない状況で、おまけにそっちが期限に追われていたりすると、まず

サクサク済ませたい

という欲求が先に立ってしまうので、あまり正面真っ向勝負モードにならないのではなかろうか。

というわけで、前にも書いたような気がするが、渉外やりながら権利化は、リソースに余裕がない状態ではあまりうまくいかないと思うんだな。渉外の方が片手間モードになって悪影響が出る気がする。

というわけで、もはやここに至ると、

早く外してくれ〜

というのが正直な気持ちだったりする。別に権利化の番人がやりたいといわけではなくて、きっちりくっきり仕組みをつくっておきたいんだけどね。仕組みを作ればもう少し経験値の足らない人を集めても回るようになると思われ。もちろん並行して教育活動もするよ〜。採用活動もやりたいが。