知財渉外にて

2008年3月~2014年9月までの間、知財渉外ネタを中心に書いてきました。

リードは誰が?

Twitterでぼやきまくった挙げ句、久方ぶりの更新である(苦笑)。

知財部が法務部に統合されたのが去年の6月。さらに部内を東京支店側メンバーを法務Gに、本社側メンバーを特許Gに組織変更、特許訴訟を含めた訴訟警告対応は法務Gで取り扱うとしたのが10月。技術的特許的解析のみを特許Gに残すことにして、それまで全面的に知財渉外で取り扱ってきたものを法務に引き継ぎしてきたはずだった。

まあ確かに引き継ぎし切れていないというか、うまく回っていない感はあったのだが。

特許訴訟なり警告対応というのは、通常の訴訟やクレーム対応と異なり、実体部分が特許権の解釈や被疑製品の理解、属否論であって、これらの強弱や関係製品の規模(インパクト)が手持ちのカードになる。もちろん、生の特許解釈や製品の構造/構成/処理の理解は技術系知財部員や開発がやるにしても、そこから上がってくる説明を鵜呑みにせず自ら理解して、カードの組み立てが自分でできるようになって初めて相手に対する主張が組み立てられ、交渉が可能になる。

一方で、訴訟手続への対応や、サプライヤーとの契約に基づく補償要求等、純粋法務的な諸々ももちろんある。なので、特許訴訟/警告案件の対応を、特許Gの技術的サポートを適宜受けつつ法務Gが行う、というのではなく、今回上司が提案してきたように、法務部全体としてチームで対応しよう、というのはおそらく正しい。

しかし、問題は、そのチームの中で、誰が、全体に目配りをして、(特許の実体論や属否に基づいてポジション判断をし、サプライヤーとの関係交渉を仕切りつつ)対応方針を決め、それに沿ってチームメンバーを動かし、常に方針に沿って動けているかをチェックし、必要に応じて社内の調整を行う、といったリードを取るのか、ということなのだ。グループごとの分担を決めるのでなく、トロイカでもカルテットでもなんでもいいが、チームで動かそうと言った瞬間に、そのリーダーは自分のミッションとして全体を考えて動かすことを要求される。

そして、引き継ぎに失敗したということは、そのリードを法務側で取ることは難しいという結論に達したということに等しい。

あれ?ということは、全面的に渉外対応をしていた知財部時代の仕事のやりかたに戻れと言うことですか?そうですか。っていうか、インデムも全部視野に入れて回せってことですよね?実作業はメンバーに振るとしても。それって、実質見る量増えてますけど。それで私の肩に乗っているこの中間処理と外国出願の山はどうすればいいんでしょうか?人を増やしてくれると?それも社内から回すと?ということは、その教育は誰がするんですか?専門家なんだからおまえやれってことですか、そうですか。。。

うーん、そりゃちょっと、現在の役職に見合わないんじゃないでしょうかねぇ。ポジションと給料上げてくれ、と言ったら、一蓮托生でチームに入れられることになる解析担当に『給料が上がればいいってもんじゃないですよ、死にますよ』と真顔で言われた。うーん、あなたをリーダーに鍛え上げるのが私のミッションだという理解で(昨日の時点では)いたんですが。。。でも、他の誰も解析結果を理解して動けない現状だと、危なくて1人じゃできないもんねぇ。やっぱり一蓮托生だわ。

倒れたら骨を拾って下さいね〜。ひゅる〜。ボーナスが出ればいいってもんじゃ・・・。

それにしても、昨日の時点でこの決定が引き起こす災禍に気がつかなかった自分のアホさ加減に幻滅。いや、えらいさん会議対応と上司対応で疲弊してたんだな、、、。うぐ、次回上司来訪時にもう少し真剣に訴えねば。ねば。