権利化
英文の契約書では"and/or"が頻出する。まあ便利なのでつい使ってしまうという感じで。日本語でもこれを良しとして「及び/又は」と書かれたものを時々見かけるが、これは日本語じゃないだろう、とそのたび突っ込みたくなる。で、この"and/or"を特許請求の範…
標題の通り、"computer-implemented inventions"の特許適格性に関してを論点とする上記ケースについて、米国最高裁が上告申立を受理したとのこと。あちこちに関連情報があるが、論点の再整理ということで、The Essential Patent Blogがお勧め。このエントリ…
「発明の単一性の要件」、「発明の特別な技術的特徴を変更する補正」の審査基準がしばらく前に改訂され、本年7月1日から運用が開始されている。ということで、弁理士会主催の改訂審査基準についての研修に行ってきた。講師は弁理士会の特許委員会の委員の方…
第一四半期が終わり、予実の報告書を作成し、など月初は定例のマネジメント業務が色々。やりながら思ったこと。発明創出・発掘活動が軌道に乗ってくると、このような活動をすると大体このくらいの出願が見込める、といった感触は掴めてくるので、それに沿っ…
久しぶりに地元の弁護士・弁理士での標題研究会に出た。2ヶ月に1回開催のところ、前回突発事態が発生して(既にそれがなんだったか忘れたけど、おそらく子ども絡みだろう)、当日キャンセルして会費をあとから振り込んだのだった。本日の発表は、最近の知財…
「AIA全面施行後の特許出願戦略と訴訟戦略」と題されたセミナーに参加した。2012年9月の成立から半年、2013年3月16日の最終施行日も経過して、規則も出揃ったということと、既に施行されているものについては、いくつかケースも出てきていることから、今セミ…
日本知的財産協会の標題セミナーに行ってきた。講師はワシントン大学ロースクールの竹中俊子氏。毎年この時期に前年の米国判例を振り返るセミナーを開催されているらしい(多分始めて聴いた、と思う)。今年は、America Invents Act (AIA)が2011年9月の成立…
現在、日本で特許出願をした場合、拒絶理由通知が出る前で特許査定謄本の送達がされる前であれば、補正をすることができる(自発補正)。審査にかかって拒絶理由通知が出た後は指定期間になるわけだけれども。とはいえ、自発補正の時期的制限が撤廃されたのは…
2011年の中国における特許出願は52万6千件、実用新案58万5千件、意匠が52万1千件。実用新案についていえば、そのうち外国からの出願は4千件で、残りは全て中国国内出願。特許においては、外国からの出願が11万件あるから、外国人から見ると、あまり実用新案…
彼我の違いシリーズ第2弾ということで。中国では、同一の発明について、発明専利と実用新案との重複出願が可能である(専利法第9条)。同一の発明創作には1つの特許権のみが付与される。ただし、同一の出願人が同日に同一の発明創作について実用新案と発…
さて、標記の4日間シリーズ研修の2日目は、概論を終了してひたすら手続。これで6時間びっちりなのは、講師の方がさんざん心配されていたように確かに眠い(苦笑)。でも、実務に即した非常に得るところの多い講義だった。色々と書いておきたいポイントはあるが…
記載要件ではかなり異なる日中の特許性判断だが、進歩性の判断は、判断の手法が異なっていても、結論としては似たり寄ったりのところに落ち着くのではないか、というのが講師のコメントだった。実際、当社でも、最近は日米中で同時期に拒絶理由が発されるこ…
よく考えたら明日はもう第2回の研修だった。慌てて前回分のメモの続き。いわゆる新規事項追加禁止、研修テキストでは『記載範囲を超える補正』という項目になっていた。専利法第33条出願人は、その専利出願書類に対して補正を行うことができるが、発明及び実…
中間処理ばかり集中してやっていると、拒絶理由で引かれた引例がずいぶん遠くて『それはないだろう』と思うことがある。しかし、発明の主旨はひとまず脇に置いて純粋にクレームだけ読むと、要は記載ぶりが上位概念過ぎてそんな引例を引っ張ってきてしまって…
先日参加した中国特許制度の研修について、順不同で印象に残ったところをメモ。機能手段(機能部)を用いたクレームは、中国ではサポート要件違反の拒絶理由が頻発されることはご案内の通り。その根拠となる専利法第26条4項。権利要求書は説明書を根拠とし、専…
久方ぶりに朝9時半から夕方4時半までの1日コースの研修を受講。おまけに4日間のシリーズである(さすがに連続ではないが)。受講中のPC等電子機器の使用が禁止されていることもあり、メールチェックも休憩時間のみで(休憩の度に色々メール上で起こっていてド…
おおむね年に1回程度(たいていは春か秋の過ごしやすい季節に)、米国からの代理人訪問がある。特許法やルールの改正、重要な判決などがあればその解説をしつつ、クライアント回りをする、というのが定番のようである。現在当社は新規出願については米国代…
4月1日の改正特許法施行を前にして、某法律事務所のセミナーに行ってきた。改正法の説明自体は、弁理士会の必須研修でもあり、あちこちで話題になってもいるので、もちろん何度も聞いている。とはいえ、特許庁サイドの説明はどうしても趣旨が中心になるし、…
種々の事情で(こればっかりだが)ますます人的リソースが逼迫しており、かといってはじめてしまった活動を止めるわけにも行かないので量的質的ハードルはますます高くなっている。このため、どうしても必要な業務以外をしている余裕は全くない。そりゃどこ…
なんだか大層なタイトルだが、と書きかけて、うん?前にもこんなエントリしなかったっけ?と気になって過去記事を見てみた(つーか、記憶が薄れすぎだろ>自分)。やっぱりしてるし。 知財部員に求めるもの 特許事務所とのつきあい方気を取り直して(苦笑)。…
種々の事情があって、特許担当の育成について3分間(!)で役員・部長連の前でプレゼンすることになった。なにしろ3分間なので、悲しいほどまともなことがしゃべれない。設定自体に無理があるのだが、それは言っても始まらない。ということで、断腸の思いでバッ…
このところオーバフロー状態が続いており、持ち帰りで仕事するのが常態になっているのがイヤな感じ、などとTwitterでつぶやいていた。このオーバーフローの原因は、しばらく前から(1)2年くらい前から発明発掘活動をまともにやるようになり、その結果、権利化…
本日昼間のTwitter知財系クラスタTLで、特許事務所の事務の品質が話題になっていた。特許事務所の事務方の品質がその事務所の評価にどう影響するかという話で、基本ができて当然、できないとおつきあいは疎遠になる(特に請求関係のミスが続くと経理から責め…
何度か若手君たちをブログに登場させてきた。3人いて、当部門への配属順に1号君、2号君、3号君、としていたのだけれど、このたび1号君が退職することになった。1号は永久欠番にしようか、とか訳の分からないことを考えたのだが、ややこしいので番号はやめて…
弁理士と弁理士試験のブログのドクガクさんが、『明細書の過剰品質についての疑問』という記事を書かれていて、Twitter上で話題になっていた。どうやら、彼の問題意識は、明細書が高品質かどうかを量るには種々の評価尺度があると思われるのに、顧客から要求…
先日書いた『特許事務所とのつきあい方』のエントリを読まれたアマチュアサイエンティスト(アマサイ)さんが、ご自身のブログでこれをネタにした記事(『それは戦略でも戦術でもない』)を書かれている。それを巡って、Twitter上で話がけっこう盛り上がった…
先日関西の某社の知財部長氏の話を聞く機会があった。同社の出願件数が年間約1500件で知財要員が40人弱。普通で考えるとかなり少ない。少ない人数で達成するために、『質のよい丸投げ』をするようにしているとか。かつては同社もごく普通の?企業のように、…
今日は地元の弁護士・弁理士でやっている特許法の研究会があった。本日のお題は、分割出願と補正違反との関係(子の分割出願の補正違反(新規事項追加)が、孫以降の分割出願に与える影響)。分割を累々していく場合、とりあえず孫出願まで書くと、ごく普通にま…
前回のエントリで、例えばベテランの方々が何らかの理由で同じことができなくなった場合に私が完全代替できるかといわれると正直厳しい。技術動向と関連技術の勉強をもう少しみっちりやって、さらに開発に張り付いて2年くらい過ごせばなんとかなるんだろうが…
dtkさんのブログの『今日はこんな日だったはず』シリーズが好きなので、ちょっとマネ。だってすでに『本日の知財渉外』じゃないもんよ。朝一番から、発明者チェックで戻ってきた出願明細書案の確認をして事務所に修正指示を入れよう、としていたら、事務方が…