知財渉外にて

2008年3月~2014年9月までの間、知財渉外ネタを中心に書いてきました。

日本弁理士会会員研修「最近の著作権法の諸問題」

当日Twitterでお目汚し失礼しました。

1月21日に、表題の研修があり参加。講師は、大阪大学の茶園先生。研修は2時間で予定されており、会員研修としては短め。テーマが最近の諸問題ということなので、その性質上、それほど突っ込んだ内容になりにくいことからこの長さなのだろうと予想していた。出席するかどうか迷ったのだが(義務研修の単位はすでに足りているし)、この手の動向は、雑誌等で読むよりも一定時間を投資して人の話を聞いた方が断然頭に入りやすいので、聴きに行くことにした。

だがしかし、講師の説明によれば、始めの時間をしばらく使って著作権法そのものについての説明を入れて欲しいという弁理士会の依頼があったとかで、2時間の研修時間のうち45分ほどは本当に初歩の初歩の制度説明(著作権法の概要)。確かに、2005年の弁理士法改正で著作権は弁理士の業務範囲に加えられたものの、日常業務で著作権を取り扱っている弁理士はごく一部に過ぎない。このため、それほど深く著作権法を理解する必要性に迫られることもないし、著作権が試験範囲に入る以前に合格した弁理士にとっては、あまり馴染みがないままに過ごしていることが多い。このような状況から出た依頼なのだろうと想像する。

とはいえ、それなら研修案内にその旨明記しておくべきで、大体2時間の短い中に法の概要までつっこまれたものだから、肝心の最近の動向についてはさらっと触れられたにとどまり、せっかくこの分野の第一人者の講師に来ていただきながら、なんとも勿体無い研修になってしまっていた。ターゲットセッティングに誤りあり、という感じ。

最近の諸問題として取り上げられたのは以下の3点。前日に文化庁の著作権分科会の法制問題小委員会の2009年度第7回目の会合が行われており、講師も参加されていたので、なにかその関連での発言がと期待したが、会合自体あまり大きな変化を伴うものでなかったこともあり、特に目立った言及はなされなかった。http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20407174,00.htm

(1)著作物の利用の円滑化
 - 権利者不明の場合の裁定申請中の利用の許容(平成21年改正)
  著作権法第67条の2
 著作権の場合、産業財産権と異なり、無方式主義で発生し、登録が義務付けられていないため、許諾を受けたくても著作権者が不明の場合がけっこう問題になる。これをなんとかする手立ての一つが裁定制度なのだが、この利用自体も進んでおらず、また、裁定にかかる時間もバカにならないということでの法改正。この制度の利用者はほとんどが国会図書館らしい。

※下書き状態で放置されていたので、とりあえずそのまま公開します。既に何を書こうとしていたのか不明で(爆) (2012/11/25)