知財渉外にて

2008年3月~2014年9月までの間、知財渉外ネタを中心に書いてきました。

朱入れ

11/15付で事業部開発から当グループへ一人異動があった。事業部での引継ぎがあったので、実稼動は今月初めから。その事業部は当社の売上の主要部分を占めている割に特許的にはお寒い状況なので、そのあたりを重点的に手当てしてもらう人材として期待している。

期待が大きい分、当初からミッションも大きくて、あれもこれもといろいろな人がいろいろな視点で語るため、慣れない分野で大変そうである。ちなみに事業部では開発担当次長さんだったのだが、異動に伴い当グループでは特に肩書きはなし。

で、話をしているだけでは進まないので、あちこち調べてまとめて報告書を書くという作業をし、発信してもらう。「こんな形で出します」という添付文書の着いたメールが来るのでを文書をチェック。ううむ、用語が統一されていないとか、同じ用語が文書の前段と後段で違うものをさしているとか、コピペのせいで不要な情報がいくつかあり、読んだ人は混乱するだろうな、とか。

発明者が書いてくれる文章を読んでいても、事業部門の人はあまり言葉を厳密に定義して選んで使うことが少ないように思う。知財や法務では、それは命取りになることが多いので、勢い言葉の使い方には敏感になる。初職の上司に手紙文ひとつを真っ赤に添削された頃がよみがえる。社内の報告書でもビシバシ添削されたものだった。その後の明細書書き修行でも、当然権利文書なのでそのあたりはみっちり(世の中にはあまりしっかりしていない明細書もごまんとあるが)。

ということで、商売柄細かいところが気になる。ために、私のところへチェックを回すと「一応通じるけど正確には誤り」というものについてもいちいちきっちり赤を入れるので、すぐ真っ赤だ。でも、どうも誰もそこまで厳しくやらないようなので、どこかでやらないと、適当な文書が出回ってしまうわけで。とりあえず、「私にさせると細かいのですみません」と断りを入れつつ、誰も指摘しないところもあえてチェックを入れることにした。ま、上司の文書には"あまり"やりませんけど。一応。

まあ、それなりに年もとっているし、資格も持っているし、業界歴も長いということで、揚げ足取りのような細かいチェックもどこかで誰かがしたほうが品質が上がるんだと許してもらおう。

件の報告書も、真っ赤にした後で趣旨説明し、修正して出してもらった。