知財渉外にて

2008年3月~2014年9月までの間、知財渉外ネタを中心に書いてきました。

フランス語

弁理士をやっていると、けっこうな頻度で『ご専門は何ですか?』と聞かれる。相手は、電気とか機械とか化学とか、まあ大学(院)での専攻を期待していることが多い。私は技術畑ではないので、さらっと『法律です』とかわすことにしているが、大学は外語大で専攻はフランス語だったりする。

上記の質問に『フランス語です』なんて答えたところで、相手が固まって会話がそこで終わることは目に見えているのと、今の仕事にフランス語は何の役にも立っていないし、どっちかというと外国語学部というよりオーケストラ部の4年間を過ごしてしまったせいでさっぱり身についてもいないので、履歴書から抹消したい気分だから、決して自ら口にしたりはしないけれども。

転職して今の勤務先に入るときも、履歴書やら職務経歴書で重要なのは職歴と資格だったから、学卒の専攻なんて誰も注目していなかったんだけど、ヨタ話で出身大学の話になり、そこで隠しておく話でもないので明らかにしたことがあった。そしたら、親会社の役員から電話がかかってきて

フランス語できるんだって?この書類に書かれている全貌が知りたいんだけど、よろしく。

っておい。私の仕事の範囲じゃまったくないんですけど〜。この激務で死にそうになっているところへ・・・。ビジネスの世界では、フランス語はほとんど使われないから、どうしても入用になったとき、実は使える人材が少なくて、錆付いた頭でもないよりましとばかりに使われることは実はよくあるのだった。はぁぁ。

先週木曜の話だったが、さすがに勤務時間中に何とかするのは無理で連休にお持ち帰り。中身が著作権の私的録音録画関係の課金の話で(仕事にまったく関係ないというといいすぎか?)、コンピュータ関係のフランス語なんて、私の大学時代には存在しなかったものが多々あるので、辞書を引けども載っていなかったり、いやそもそも辞書が見当たらなかったり(辞書コレクターの私としては捨てたりはしないと思うんだけど、なぜか手元にないのだ)。オンラインの辞書はろくなものがなさそうだし。

仕方がないので、久しぶりにフランス語の辞書を買いました。

スタンダード時事仏和大辞典

スタンダード時事仏和大辞典

ロワイヤル仏和中辞典

ロワイヤル仏和中辞典

初学者用の仏和辞典って、私が大学生の頃よりずいぶん増えたけれど、それ以上のレベルのものって、相変わらずのようで、上記のロワイヤル仏和中辞典は、学生時代に初版が出て、「やった」という感じでかったんだけど、2005年に20年ぶりに第2版が出たらしい。まあ、今後も要ることもあるかもしれないし、、、(ホントか?)。時事用語辞典の方は、かなり高いし、迷ったんだけど、その場でいくつか引いてみたら、これにしか載っていない用語があって、うーん、と思わず買ってしまった。

名古屋駅高島屋の三省堂まで出向いて2冊お買い上げ。レジで精算していたら、

お客様、こちら、お持ち帰りになりますか?

と聞かれてしまった。いかにも重そうだもんね。でも、お持ち帰りします。すぐ訳出しなきゃいけないし。とほほ。

ま、辞書2冊の効果で?無事休みの間に訳してお送りしました。件の役員からは、

いつも納期の短い とんでもないお願いをShort Noticeでして恐縮。貴女は 当社でいつも頼りに出来る数少ない貴重なテクノラートの一人です。今後とも宜しく。

とメールで言われたが、ということは今後も振ってくるってことで・・・。もごもご。

でも、この役員氏、知財マターでも色々お世話になっているので無碍にもできないんだよねぇ。