知財渉外にて

2008年3月~2014年9月までの間、知財渉外ネタを中心に書いてきました。

知財渉外(特許係争)担当に求められる力量

つらつらあちこちでつぶやいたり、合宿(謎)で盛り上がったりしているうちに概ね考えがまとまってきたので、改めて記しておく。

1.技術主張力
 技術的特許的理解に基づいて攻撃・防御主張を組み立てる力

2.腹黒さ
 正面勝負だけでなく、自分の弱みを相手には利用させず、相手の弱みは最大限に利用して自社を有利に運ぶ力

3.節操なし
 相手の手札、自分の手札の変化に応じて、自社を有利に導くべく主張を変幻自在に変化させて憚らない力

4.不都合な真実に目をつぶる力
 自社を有利なポジションに置くためには、ひとまず都合の悪いことは脇に置き、時にはカラスは白いと言い張って憚らない力

5.容赦のなさ
 機会損失を防ぎ、最大限自社有利に事を運ぶために、社内各所・チーム内部から外部環境に合わせたペースで適切なアウトプットがなされるように(あらゆる手段を駆使して)仕向ける力

もちろん、1がすべての基本なので、ここが揺らぐと成立しない。自分で解析する能力までのレベルは要らない(自分で一から解析していたらたいていの場合時間が足らない)。解析した人からのインプットを消化し、自分で主張を組み立て、外部環境の変化に合わせてそれを修正していけるだけの理解力でよい。が、なかなかここを満たすのが難しいことも事実。理解はできても組み立て主張が難しかったり、逆に理解が生半可なので一旦組んだ主張の修正が効かなかったり。

2〜5は、交渉という土俵にのった仕事のために必要不可欠な資質というか力量だと思うのだが、あらためてこうしてみると、人間としては最低かも(爆)。