知財渉外にて

2008年3月~2014年9月までの間、知財渉外ネタを中心に書いてきました。

著作権侵害セミナー(その1)

 弁理士の日の知財セミナーの1つとして、『実例に基づく著作権侵害の解説』を担当した。1時間強の短い時間なので、いくつかの具体例を用意して、著作権の侵害に該当するかどうかはどのような手順で判断するかを理解してもらうことに主眼を置いた。用意した問題は、以下の8つ。

1.よく似た書籍のタイトル (既存の本のタイトルに似たタイトルの本を後から出すのは侵害か?)
2.今までのものをもじったスローガン・キャッチコピー (後のスローガンは先のスローガンの侵害か?)
3.YouTubeにアップロードされたドラマ(許諾なしでアップロードされたもの)を視聴するのは侵害か?
4.自分の音楽CDをPCに取り込み、オンラインストレージにアップロードするのは侵害行為か?
5.替え歌を作ってライブをしたりCDを作成販売するのは侵害行為か?
6.入試問題の題材に小説を利用→過去問題集作成 (どちらも侵害?入試そのものはOK?どちらもOK?)
7.ブログにニュース記事についての意見を投稿 (ニュース記事の一部を抜粋し、その下に自分の意見を書く。抜粋コピーに許諾は必要?)
8.外部デザイナーのデザインしたキャラクターを使用(デザイン料を支払った。引き取ったデザインはどう使ってもOK?)

 冒頭に、それぞれについて、受講者の皆さんに侵害だと思う(NG)か、侵害でないと思う(OK)かを挙手してもらい、その後で一般的な判断手順をフローチャートを使ってざっくり説明し、さらにそれぞれの問題についてフローチャートに当てはめて説明するという形を取った。1問あたり5〜6分で説明できる量ということで、割合話題性のあるところを押さえたつもり。一般市民の聴衆が多く、長くなる&複雑&関係者でないとよくわからないということで、今回はコンピュータ関係のお題は割愛。

 皆さんは、各設問の答えをどう考えられるだろうか?どの問題もかなり意見が割れて面白かった。