知財渉外の仕事、というか、特許侵害訴訟・警告対応では、自社のポジション判断とリスクの計量がポイントになる。
ポジション判断は、特許侵害という相手方の主張を崩す主張がどのようにどの程度できるかということで、基本的な権利範囲に入るかは要らないかの判断、特許の有効無効の判断に始まって、特許の出願経過や米国なら権利不行使にあたらないか、これらの主張がどの程度しやすいか・陪審に理解されやすいか等も含めて判断する。
リスクの計量は、上記のような主張をしたとして、通らなかった場合のリスクを最大として、自社の事業規模や状況を鑑みて、見込んでいく。
これらを初動の時期にある程度固めて方針を立て、その後は、相手の出方や見つかった資料などで調整をしていく形になる。色々なファクターがあるので、もちろん1つに決まるわけではなくて、いくつものシナリオ・想定ストーリーがあるけれども、そのなかで選択をしつつ、ありそうなストーリーを持って社内を調整したりして、進めていくことになる。
というような仕事を日々していて、それほど難しいとかファクターを落として失敗したとかいうこともなく、まあ大抵のことは想定の範囲で進んでいく。
が、そんな仕事をしているにもかかわらず、戦略系・シミュレーション系のゲームは大の苦手である。何度か書いたこともあるような気がするが、我が家の家族は全員碁打ちで、先読みシミュレーション系のゲームが大好き。ボードゲームも対象年齢に達していなくてもガンガンやってしまう。私はそんな家族に囲まれていて、絶対この手の先読みシミュレーションは向き不向きがあって、私は絶対向いていないと常日頃から主張してきた。実際、ゲームで先を読もうとすると、ファクターが多すぎて、考えているうちに訳が分からなくなり、イヤになって止めてしまうことも多いのだ。が、家人に言わせると、
うーん、確かに、息子2号とか、囲碁教室で1時間半対局してくると頭が痛くてしばらく食欲もないし体を動かすことしかできない(頭使いたくない)って感じだけど。1日手合いだった日なんて吐きそうになるらしいけど。しかしねぇ、なんで楽しく遊んでいるのにそんなに悩まなくてはいけないのよ?という気分になりませんか?それは真剣味が足らないだけ。
頭が痛くなるくらい考えてないでしょ。
仕事だと考えずに失敗したら洒落にならないけど、ゲームで子どもに負けても笑ってりゃすむからね。
とも言われたが、ン十年生きてきて、多分真剣に遊んだことなんて、ないぞ。私。真剣に遊ぶほど楽しいんだよ。