知財渉外にて

2008年3月~2014年9月までの間、知財渉外ネタを中心に書いてきました。

思考体力

夏休みに向けて、夫がカードゲームを仕入れていた。我が家の男ども3人は皆ゲーム好きで、子どもが小さい頃からボードゲームやカードゲームをよくやっている。とはいえ、息子たちが長じてきた昨今は、なかなかまとまった時間が取れなくて、長期休みのしかも雨の日のお楽しみみたいな状態になっているけれど。

で、私は特にゲーム好きということもないので、付き合って楽しむ程度なのだけれど、何度か書いてもいるように、戦略系のゲームは苦手で息子たちにさっぱり歯が立たなくなって久しい。カードゲームならいくつか勝てるモノがあるんだけど。という話になり、それはどこに特徴があるのだ?と考えてみた。

そこで、先頃ご紹介した『採用基準』に、思考力とは思考スキルだけのことではなく、思考意欲や思考体力も必要で、思考スキルが後からトレーニングで習得することが可能であるのに対し、思考意欲や思考体力は一朝一夕に身につくものではない、という趣旨のことが書かれていたのを思い出した。

採用基準

採用基準

特に思考体力については

「考える」という行為は、高いレベルの気力と体力を要します。答えの糸口さえ見つからない難問について何時間も考えれば、誰でも頭が働かなくなるし、時には頭を使わないですむ単純作業をやりたいとさえ感じ始めます。頭をフル稼働し続けるのは、とても疲れることなのです。

とある。本書には、この思考体力が一朝一夕に身につかないとして、身についている人はどのようにしてそれを得たのかについては書かれていないけれど、この「思考体力」という観点に照らすと、まさに、自分は思考体力が(少なくとも我が家の男3人に比べて)高くないということに思い至ったのだった。

数分〜数十分でゲームが終了するカードゲームに比べ、ボードゲームは数時間かかるモノも珍しくない。そこまで長期的に戦略を練ってひたすら考えて、ということが、頭が疲れてしまい(というか疲れることが見えているので)思考体力的に拒否してしまう、だからひたすら考え続ける人たちに太刀打ちできない、という構図のようだ。

なにしろ3人とも碁をやるので、考え続けるのは筋金入りである。子どもたちなんて、物心ついた頃からやりはじめ、10歳になるかならないかで真剣に対局とかの経験を積んでるわけだから、そりゃかなわない。思考体力をつけるには、囲碁(おそらく将棋も)はうってつけなのではなかろうか。そして、おそらくそのためには、引退後の楽しみじゃなくて、子どもの頃に始める必要があるのだろう。

ということで、虚弱な私としては、細切れに考えることで補うことにしましょうかね。無理してボードゲームに挑むのは止めておこう(笑)。