知財渉外にて

2008年3月~2014年9月までの間、知財渉外ネタを中心に書いてきました。

行儀のいい業界?

知財高裁の判事も経験されている弁護士さんとヨタ話のついでに話題に上ったことには、

弁護士というのは期限を守らないものという常識が裁判所にもありまして、自ら設定した期限を特に理由を明示してくることもなく平気で破ってくるんですよ。
でも、知財の案件では、これが全然事情が異なります。この世界は、皆さん大変真面目で、警告状のやりとりなどでも、勝手に先方から設定された期限であっても、黙って破るなんてことは決してされませんね。延長する場合には、理由をつけて必ず断りを入れますし。こういう業界は他で知りません。全然異質ですね。

ううむ。そうだったのか。先般上司と何かのついでに似たような話が上り、

なんで相手が勝手に決めた期限をこちらが尊重して守ってやらないといけないんだよ?

と言われた(すごまれた、とも言う)ことがあったのだけど、

いやでもそんなこと、私20年やってて一度もやったことありませんから!

と答えた(押し切った、とも言う)んだけど、やっぱりこちらの常識あちらの非常識という話だったのね。

これはやっぱり、特許庁が世界一厳しくて、期限の延長とかを絶対許してくれないからですかねぇ。

と、その場に居合わせた審判官上がりの弁理士さんに振ってみたら、にっこり笑ってかわされた。でも、知財職って、ここから大抵実務を始めるので、外向きの期限はなんとしても守るものというのが染みついてしまう気がするなぁ。やっぱり。

その代償?なのか、内部の期限の遵守姿勢はダメダメな場合が多いとも思うけどね。納品の約束はちゃんと守ろうよ〜。請求されてから『本日中に納品します』っていうソバ屋の出前は止めようよ〜。