いまの私の肩書きは、『法務部特許グループ リーダー』なのだが、最近名刺を発注したら、裏の英文表示の方がいつのまにか
になっていてのけぞった。なんかこれって、誇大広告というか虚偽表示でない??Manager, Patent Department, Legal Division
さて、本日は、調査会社の方に来て頂いて打ち合わせをした。なんだか色々手薄な社内の特許調査について、一度ちゃんと研修をしてもらった方がいいな、ということで、カスタマイズ研修のような形で依頼した。で、せっかく社内向けにしてもらうのに検索式の立て方とかの検索テクニックのようなものだけを一般的にやってもらっても仕方がないというかもったいないので、何をしてもらえばいいのか、大枠をちゃんと打ち合わせて目的の摺り合わせをするのが本日の趣旨である。
何度も書いているけれども、当社の知財部門というのはまだまだ発展途上というかなんというかな状態で、手探りのところが多い。いわゆる特許調査にしても、一応社内の依頼書は存在していて、それっぽくやっているように一見見えるのだけれど、話を聞いてみると、なんだかずれていたり、もうすこし効果的にやる方法があるんじゃないの?というところがあちこち見える。まあ要は、技術的なバックグランドと社内の事業部経験を総動員して、力業でこなしているようなところがあり、それでは残念ながら今現在は回るかも知れないけれど、次に繋がっていかない。システムで回るようにしなくてはね。
ということで、そもそも、企業内で特許調査をするというのはどういうことなのか。先行技術調査、侵害予防調査、テーマ調査、無効調査、色々あるけれども、どういう位置づけで考えればよいのか。調査対象を特定するのはどうやったらいいのか。特に、依頼者(開発者)が依頼方法をこれっぽっちもわかっていない時に、それを引き出すにはどうしたらいいのか。実際の検索式を立てて調査をしていく時に、どのようなイメージを持って取り組めばいいのか。調査をするときに、無料/有料の各種データベースがあるけれども、なにを使ったら目的にあった適切な調査を効率よくすることができるのか。
等々、もろもろの悩みもぶつけて一挙に解決してしまおう、という欲張りな企画である。本日の打ち合わせはほとんどお悩み相談な様相を呈してしまったのは予想通りというか何というか。で、こういうところに最初からちゃんと聞いておいた方がよいだろうということで、若手2号君と3号君も同席させた。そして緊張の余りなのか話についていけてなかったせいなのか判然としないが、今ひとつ趣旨の不明な質問をそれぞれ発していて聞いているこちらがはらはらした。(暖かく受け止めて頂いてありがとうございます・・・)
で、管理者としての本日の結論は、企業知財としての特許情報共有基盤がまるでできていないという現実を改めてつきつけられた、というところ。そうですね。自分とこの技術分類の公報くらいはちゃんと溜めておいて全員が閲覧できる状態にしなくちゃいけませんよね。新しいものは追加して、回覧して、知識のアップデートをしなくちゃダメですよね。うううう。ほんと、いつもいつも一からスタートに実質なってしまっているというのは情けない限りで、ここを人の記憶に頼ってどうする。システムにするのがおまえの仕事だろうが!という感じである。すみません。ああもう後手後手。
言い訳をさせてもらえば(誰にだ?)、こういうことが漸く考えられるようになって、実行しても空回りしなくなったのがごく最近だとは言えるんだけどね。まあしかし、私自身が権利化方面の経験はあっても調査系・発掘系の経験がないというのが多少敗因ではある。自分自身の体験的なものがないとどうしても考えて動くことになるので、ワンテンポ遅れるというか後回しになるというか・・・。前職は特許事務所で書いてただけだし(そのための先行技術調査はしたし、しこたま読んだけど)、前々職の企業知財時代は、ほぼ9割5分まで渉外で、事業部担当はやってないからねぇ。見よう見まねというのは案外難しいのだ。
ま、そんなこんなで、やりがい一杯です。頑張ります・・・。