知財渉外にて

2008年3月~2014年9月までの間、知財渉外ネタを中心に書いてきました。

納期と所要時間を見積もる

出張先でメールを見ていたら若手君から【残業申請】と題したメールが届いた。曰く、

○×さん(同じグループのメンバー)から依頼された特許3件の構成要件分説が明日期限のところ終わらなかったので、1時間残業を申請します。

一応、当社ルールとしては、残業は事前申請で17時までに上司に申し出ることになっている。最近手順の徹底が叫ばれていて、一応念押ししたところ、このメールになったらしい。でも、その後出てきた日報を見ると、1時間じゃ終わらなかったので延長しました、となっている。うーん。趣旨没却。

そんな話は私は聞いてなかったので、依頼主に聞いてみると、
(1)時間があればやって欲しいベースで依頼をかけており、かつ
(2)昨日までにはできると言っていたができなかったようなので、今日の時点で、時間的に難しければ言ってくれればこちらで何とか対応を考えるからと伝えた
(3)残業までして仕上げる種類のものではない
らしい。

なんか色々間違ってる(-_-;)。

まず、若手君としては、所要時間とできあがり期日を見積もったつもりなんだろうけど、全然甘くて、今までその見積の精度が高かったことはない。で、まだ経験も少ないので、見積が甘かった場合になんとか帳尻を合わせる、ということができない。

とすると、仕事を出す側としては、
(A)納期が十分ある仕事に限って依頼する=見積が甘かろうがなんだろうが吸収できる
(B)本人に変わって時間の見積をし、かつ、他の仕事との兼ね合い自体も指示する(着手の順序を決めてしまう)
(C)とりあえず着手させ、小刻みに進捗と見積の修正を入れさせる
(D)最後に間に合わなければ自分で片付ける
の組み合わせで対応せざるを得ない。

残念ながら、長短あるにしても期限がアバウトでよい(遅れても支障ない)という種類の仕事はこの職種にはない。そして、組織で仕事をする以上、その仕事が要求するペースはあるわけで、自分がその仕事にかかる時間の見積の精度を上げるのは死活問題だと思うのだが、どれだけ口で言われてもなかなか身にしみないのが人の常。

それにしても、受けた仕事はまずさらっと着手してみて、見積の精度を自分で見計らうようにした方がいいと思うんだけどな。昨日中に完成しますと言うなら着手は少なくともした方がよいだろう。細切れに仕事をすると集中が切れてダメなタイプもいるとは思うんだけど、それなら一定時間で区切るようにした方がいいように思う。いくらなんでも1日中その案件にかかり切ってないとできない、という仕事はないだろうから。