知財渉外にて

2008年3月~2014年9月までの間、知財渉外ネタを中心に書いてきました。

自律に向けて

本日は息子1号、高校初の欠席。ここのところ気温の変化が急激で毎日最高気温が7度くらいアップダウンしているところ、教室はみっちり冷房が効いているらしく、そして彼はめっぽう冷房に弱い。長袖を持って行くようにはしているらしいのだが、それも忘れたここ2日ですっかりお腹がやられたらしい。冷房直下とか言うので、強い人に替わってもらえよ、とアドバイスしてみたりした。

月曜には個人懇談があった。時間帯も日程もずいぶん融通が利いて、土曜もやってくれるし、17時以降でも構わない、とあったので、ダメ元で定時終了後に行っても間に合うような時間帯にできないか問い合わせたところ、18時半でOKだったので行ってきた。なにしろ息子2号の2度の入院で手持ちの有給休暇が激減しているのであまり無駄に?休みを消費したくないのだ。

で、まだ若い数学教師の担任(男性)。たまたま部活(卓球)の顧問でもある。話は部活の方から始まり、内来生が中学から人間関係ができあがっているところへ入るので、毎年外来生はそれなりに溶け込むのに苦労するのだが、息子1号についてはあたりがやわらかく、あまり抵抗なくするっとうまく入っていけているようだ、とのこと。これまで小中とやってきた甲斐もあってか、ものすごく強いわけではないがそれなりに強いヤツが入ってきたと言うことで内来生側にもよい刺激になっているようだ、ということらしい。クラスでの様子も、まあ相性はあるものの、特に問題なく関係を築けているとのことで、それは何より。

が、中間テストをやってみた結果が問題でして。
おまえ、手を抜いただろ〜っていうと、いやぁ、こんなもんですよ、僕〜、とか軽いのりが返ってきてですね。

ということらしい。高校に入ってからプリント類の出てくる率が低下していて、結果の紙を見てもいなかったのだが(気にしていなかったので請求もしてなかったという話は置いておいて)、改めて聞いてみると、数学の赤点をはじめとして、いやぁ見事なまでの低空飛行で、もちろんクラスの中でも下から数えた方が早い(数えるまでもないとも言う)。

赤点だったと聞いたときは笑い飛ばしたんだが(他にどうしろと?)、さすがにこのまま行ってはまずいでしょうねぇ。んで、先生としては、やっぱり勉強がちゃんとできていないんだろうと思うので、家ではいかがですか?というのが一番聞きたかったことらしい。

見ている限り、机には向かっている。これは、高校受験のための塾通いのたまもので、勉強する習慣というのはついたのだと思っている。なにしろ宿題の量が半端無かったので、せざるを得なかったというところだ。しかし、高校へ入ってからはそれほど追い立てられないので、必要性は感じつつもついそのままになっている、といったところなのだろう。彼は今読書に嵌っていて、凄い勢いで本をひたすら読んでいるので、おそらく机に向かっている時間の大半は本に消費されているのだと思う(寝床に入っている時間のかなりの部分もそうではないかと思われ、だから視力が下がってるんだよ、おい)。本人に聞いても、

そうなんだよねぇ、おれいま勉強より本が読みたいんだよ。

と笑っている。

で、先生曰く、

うちの学校は、やることやれば煩く言わないのであって、ちゃんとやることはやれ。勉強が第一で、他はそれから。やることやれないヤツは何を言ってもダメ。部活にしても、楽しくやればいいのであって、そこでガンガン強くなれとという指導をするつもりもないんです。

ということで。実際、生徒が自分でなんとかできると信頼しているので、特に厳しい規則もなく、締め付けることもなく、授業は凄い勢いで進んでいく、という校風なのだ。かなりの程度自由で、本人も居心地がよいらしく、何度となく『ここでよかった、入って良かった』と言っている。

そこで、rightとprivilegeの違いの話をした。rightは人権のように当然に持っている権利。でも、privilegeは、当たり前に享受できるものではなく、それに相応しいと評価した者に対して特に認めて与えられるもの。子供部屋を使うことができるというのがその分かりやすい例。親は子どもに子供部屋を与えなければならないわけではなく、子どもがその部屋を大事にしないなどの場合は、その使用をいつでも取りやめさせることができる。

高校は義務教育ではないのだから、その高校が与えてくれる環境に相応しいと考える生徒でなければ通っていただかなくて結構ということ。あなたが今の高校の校風が気に入っているのなら、それに相応しいと認められるだけのことをしなければならない。その昔、カナダにいた頃に育児雑誌で読んだ記事の受け売りに近いが、非常に印象に残っていて、その通りだと思っているので、改めて説明して見た。

息子1号は、なるほどね〜、とそれなりに納得していた模様。で、それが次の試験にどう生かされるのかは未知数だけれど。そして、来週から期末試験だというのに、欠席している本日なのだった。自律への道は遠いな。