知財渉外にて

2008年3月~2014年9月までの間、知財渉外ネタを中心に書いてきました。

特許法研究会

久しぶりに地元の弁護士・弁理士での標題研究会に出た。2ヶ月に1回開催のところ、前回突発事態が発生して(既にそれがなんだったか忘れたけど、おそらく子ども絡みだろう)、当日キャンセルして会費をあとから振り込んだのだった。

本日の発表は、最近の知財高裁の審決取消判決における進歩性判断の傾向で、特に解決課題や動機付けに着目したものだった。当然ながら、これまでの流れとして、特許庁における進歩性判断の傾向の推移、東京高裁・知財高裁における推移、進歩性にかかる審査基準の改訂と絡めて。以下、発表者のコメントなど。

2000年の審査基準改訂移行特許庁の進歩性判断がずいぶん厳しくなり、2008年以降、裁判所で審決の論理付けを否定するような判決が多く出ている。

これを受けて、特許庁の登録率は最近上昇しているのは事実。

知財高裁の最近の判断は、ヨーロッパ風の課題解決アプローチに近く思われる。課題の共通性をかなり重視しているように見える。

流れに沿って見ておくべき裁判例をリストしてもらったのでメモ。

進歩性否定を取り消した知財高裁判決の流れ

・知財高裁平成18年6月29日判決 平成17年行ケ10490号『紙葉類識別装置』事件
・知財高裁平成20年12月25日判決 平成20年行ケ10130号『レーダ』事件
・知財高裁平成21年1月28日判決 平成20年行ケ10096号『回路用接続部材』事件
・知財高裁平成21年3月25日判決 平成20年行ケ10153号『エアセルラー緩衝シート』事件
・知財高裁平成21年3月25日判決 平成20年行ケ10261号『キシリトール調合物』事件
・知財高裁平成22年6月29日判決 平成21年行ケ10257号『リニアモータユニット』事件
・知財高裁平成22年9月28日判決 平成22年行ケ10036号『医療用器具』事件
・知財高裁平成22年12月28日判決 平成22年行ケ10187号『可撓伸縮管』事件
・知財高裁平成23年1月31日判決 平成22年行ケ10075号『換気扇フィルター』事件

最近の知財高裁裁判例

・知財高裁平成25年6月6日判決 平成24年行ケ10335号『斑点防止方法』事件
・知財高裁平成25年5月9日判決 平成24年行ケ10213号『ズームレンズ』事件
・知財高裁平成25年4月26日判決 平成24年行ケ10322号『GPS装置』事件
・知財高裁平成25年4月24日判決 平成24年行ケ10270号『薄膜製造方法』事件
・知財高裁平成25年4月16日判決 平成24年行ケ10321号『合わせガラス』事件
・知財高裁平成25年2月28日判決 平成24年行ケ10205号『ニコチン医薬製剤』事件
・知財高裁平成25年1月30日判決 平成24年行ケ10233号『抗菌性ガラス』事件