知財渉外にて

2008年3月~2014年9月までの間、知財渉外ネタを中心に書いてきました。

1ヶ月経過

何から1ヶ月か、と言われると結構困る(苦笑)。本気でタスク管理、とか、またまた再稼働とか、色々タイトルを考えてみたのだけれど、どうもピンとこない。タスクシュート方式で1ヶ月、なのかもしれないし、スピードハック研究会(SH研)とともに1ヶ月、なのかも。

まあそんなことはどうでもいいが、兎にも角にもおおよそ1ヶ月が経過した。全体感としては、必死になってブースターを回しているフェーズから、有る程度はその勢いで回るようになったフェーズに移っており、一種の熱に浮かされたようなモードは去ったのかな、と思っている。日常的にものを進める際の意識としては、随分変わったと思う。


TaskChuteと共に

ログを残すことに随分懐疑的だったにも関わらず、TaskChuteを再開する気になったのは、ワークショップへの参加を決めたからだった。開発者の大橋さんが直々にワークショップをしてくれるのに、その題材であるTaskChuteを使っていない状態というのはどう考えても勿体無い。ということで、とりあえず(実のところあまり多くを期待せずに)再開したのだった。チェックをするだけのツールに多少の嫌気がさしていたせいもある(リピートタスクをやり残したときに先送りするよりもチェックを入れてしまった方が楽で早い。すると、チェックすることに大した達成感を覚えなくなるのでツール自体開くのが嫌になってしまう)。

前回TaskChuteに挫折してしまったのは、PCの前に居られない時間の記録が上手く乗らなかったからだった。無意識のうちに、いつも何かをやるごとにTaskChuteにいちいち入力しなくてはという思いに囚われていたせいで、持ち歩けないし、モバイルに乗らないから上手くできないじゃん!キーッ!と勝手になっていたのだけれど、オフTaskChuteのときは、それなりに他のツールなりメモなり使って記録をして、後から転記すればOKなのだった。言われてみればそりゃそうである。

ということで、Togglを併用して後から転記することで寛容になり、そろそろとリスタート。そうは言っても家のlogも会社のlogも取りたかったので、前回挫折してトラウマのあるDropboxはやめてGoogle Driveで行き来させることにする。いちおう、会社のPCからもgmailは読めているのでそれなりに大丈夫。

さて。TaskChuteを始めましょうという話をあちこちのブログなどで読むと、まず始めは予定を入れるんじゃなくて記録をつけていきましょう、とされている。何かを始めようと思ったときに、それをタスクとして登録し、できれば見積もりを入れて、開始時間を入れ、終了したらその時刻を入れる、という形である。もちろん、最初から1日分のタスクをあらかじめ登録しようなんて無理なので(そんなの無意識でやっているからそもそも出てこない)、当然なんだけど、これってもの凄く地味で、かつ、いちいち入れるし慣れてないから1個1個にとても手間がかかって楽しくない。入れる時点では効果が見えにくいので、この時点で嫌になってしまうこともあるし、慣れていないのですぐに付け忘れて不明時間がどっさりになってそれに嫌気がさすということもよくある。

先日のワークショップ後に、「TaskChuteの良いところは?」と大橋さんから聞かれたけれど、これって、前に書いたような直接的な分析ができるとかいう次元の話よりもむしろ、やったことが時刻付きで、さらに簡単なコメント付きで記録されていたら、その後色々な用途に加工することができる、後から使い方を思いついてもOKだというところではないかと思う。

でもそれには、それなりの量の記録が溜まってこないと使えないので、始めのうちは面倒だな〜とか思いつつ、すっかり忘れて使途不明3時間とかなっても「しゃーないなー」と笑って続けて行かないと見えてこない世界なのだ。こればかりはやってみないと実感できないのでどうしようもない。それこそ「騙されたと思って」やって見て下さいということである。

どのくらいでその効果が実感できるようになるのかというのは「効果」として評価できるものの程度によると思うけれども、細かい気づきは結構数日レベルから感じられるようになる。見積りを入れて実際やってみると、予想より桁違いに?時間がかかったり、逆に面倒に思っていたことがことのほか呆気なく短い時間で完了できたりして驚く。

例えば、私は朝起きてから出かけるまでに、大体1時間かかる。というのは、以前から経験で分かっていた。ただ、それがどうして1時間なのか、中身を細分化できなかった。そのため、寝坊したときとか、朝早くて30分で出発したいときに何を削ればいいのか分らなかったのだ。また、我が家は3階建てで、寝室が2階、自室が3階にあるため、朝の支度に階段の行き来が多くて動線が悪いと感じていたものの、あらためてどうするのがよいかということを考えたことがなかった。

これを、洗面に何分、着替えに何分、コーヒーを入れるのに何分、と細かく付けて行くと、大きな塊は何なのかが分かってくるし、あっちへ行ったりこっちへ行ったりしているのも歴然とするので、これとこれはまとめてやった方がいいんじゃないの?というのが見えてくる。そして、SH研で推奨されているように、こうしたルーチンタスクはレシピ(手順書)に落としてみて、それに沿って実行、フィードバックをかけて調整、というのを繰り返す。そうして行くうちに、ベストなパターンができてくるので、一旦固定して、毎日それを見ながら動く(するとボーッとしていても抜けもれなく実行できるので手戻りがなく、余分な時間もかからない)。

こうしたチューンのおかげで、今では動線もよくなって、45分でよくなり、さらに、朝から土鍋(かまどさん)で炊飯して弁当を作っても大丈夫になった。

で、まあそういうある意味ちまちましたことを繰り返しているうちに、毎日やるタスクがフィックスしてきて、リピートの設定とかが使えるようになり、一挙にTaskChuteを使っている感が増す。

しかしここで気をつけないと、一日がこうした繰り返しのタスクだけで埋まってしまう。これまで他のこともやってきたのに、なんで入らなくなってしまったのだろう??と最初不思議に思ったのだけれど、要は、ちゃんと記録したり予定したり手順書つくったりして落ちや漏れがないようにしているので、省略もされなくなっていて、きっちりやっているうちに他のことに割く時間がなくなってしまったのだった。そういえば、他のツールを使っているときもこうなってしまって本末転倒感が出てやめてしまったことが何度となくあったような。

ここで、次のフェーズに入ることができた、と評価して、一日の時間の使い方を考えて行きましょう、となるのだけれど、それはTaskChute自体の得意とするところではない。あくまでTaskChuteは、一日のうちにやらざるを得ないタスクとやりたいタスクを全部並べて終了時間は何時になるのかを睨みつつガンガン実行して行くためのツールなので、これをどれだけ眺めてみても、どういう時間の使い方をしよう、というヒントは得られない。

このあたり(タスクシュート方式がどういうものか)は、最近(満を持して?なのかどうか知らないけど)出た佐々木さんの著書に詳細に書かれているのでそちらをご参照あれ。とても読みやすいし、納得感のある本だと思う。

なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか? ~「時間ない病」の特効薬!タスクシュート時間術なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか? ~「時間ない病」の特効薬!タスクシュート時間術
(2014/04/09)
佐々木 正悟

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TaskChuteでできないならじゃあどうするの、という話は少し脇に置いて、今は別の話を。


レビューってなに?

GTDをかじってみると(詳細は、検索して見て欲しい。色々出てくる)、日次や週次でレビューをするのが重要、というのが出てくる。が、一体これ何をやるわけ?という感じになる向きは多いようで、私もこれまでの人生、終わったことは変えられないのだから振り返っても仕方が無い、早く忘れてしまうに限る、というスタンスで生きてきて、試験の見返しが重要などと言われたけど決してやったことなどなかった気がする(だってできていないことを突きつけられて気分が悪くなるんだもの)人種なので、どうもその意義がよくわからなかった。

で、TaskChuteには「デイリーログの出力」という機能があるので、それを毎日出力して、1日分をEvernoteのノートに貼り付けています。と大橋さんに言われてやってみたものの、最初のうち「えー、これ見にくいよ〜。この数字の羅列とコメントがひたすら並ぶのを見ていて何が楽しいわけ??」と思ってロクに見ていなかった(懺悔)。コメントを順に見て行って、気になるところが見つかったらそこをコピーして切り出して新しいノートにするんですよ、とも言われたので一応やってみたが、ノートが増えるばっかりで、 Evernoteがカオスだった私はあまり嬉しい結果にならなかった。受け皿がないと気合だけでは上手く行かないものである。

これでは効果が半減だよなぁと思って(半分仕方なく)Evernoteの整理に励み、SH研の動画レクチャーも参考にして、なんとかノートブックを整理し、スタックを使ってようやく日常のフローに使える状態を用意した(ストックの方はまだあまり「検索」で効果が出るような状態まで持って行けていないけど、まあこれから段々蓄積していくので、過去のことは気にしないことにする。あれ?またそれでいいのか??)。

ということで、現在は、デイリーログを切り出したら順に眺めてみて、気になるところは切り出して別のノートを作り、それもまたInBoxに入れて後から見て処理するようにしている。

ここで、一体レビューって何さ、という問題に戻るのだけれど、気がついていそうでいなかった「人は何でもすぐに忘れてしまう」ということ、そして、昨日と今日で続きをすることも多いのだから、睡眠による断絶を埋めるために、昨日の記録を読み返すだけで効果があるということがSH研の動画レクチャーで繰り返し出てきて、ものすごく腑に落ちた。そうか、別にレビューだからといって、なにかそこからフィードバックをかけてアクションしなきゃいけないというわけじゃなくて、ただ見るそのこと自体に意味があるのね。ととても納得したのだった。

デイリーログをつらつら見て行くと、そして、短いコメントでもいちいち読んで行くと、ああそうだ、昨日はこんなことがあった、というのがこれをトリガーにしてけっこう鮮明に思い出せるのだ。これって、今まで経験のなかったことで(だってこんな記録とってないし)、とても新鮮で興味深かった。

ということで、現時点では、朝のルーチン終了後出勤までの時間を少し使って前日のログを見返している。週次でレビューというのは、まだこの後なにかやりたくなったら、ということにして、今はしていない。


そのほか

1ヶ月の間に凄くものを考えるようになったとか、上で脇に置いておいた一日の時間の使い方はどう考えているのかとか、書きたいことはまだあるのだけれど、えらく長いエントリになってしまったので、今回はここまでにして、また続きは次回書こうと思います。