ストレートな疑問をガンガンぶつけてくる若手2号について、Twitter上で、優秀な知財マンになるのでは、とか、将来大化けする可能性があるのでは、という嬉しいコメントを頂いた。とはいえ、現時点では、なんとも予測が付かないのが正直なところ。
もちろん、上司に向かっててらいなくガンガン質問ができるというのは 本人が成長していく上でプラスだと思うのだが、これは彼が質問力に優れているというよりも多分にキャラの問題である。
例えば、1号君はとても真面目に物事を捉える傾向があって、自分ができると自信が持てるまでなかなか踏み出そうとしない。未知の分野の課題を与えると、まずは下調べ、下調べ、下調べ・・・、で質問してもいいことかどうかを見極めるまで質問なんてまったく出てこない。こんなこと聞いてもいいんだろうか?という方が先に立つらしく、まずざっくり聞いてフレームを作ってから調べた方が時に効率的なんではなかろうか、と思うこともしばしば。なかなか加減が難しい。
対して2号君は、下調べしていないとは言わないが、まず断片的な情報で自分の意見を持ってしまうことが多く、それで突き進んでしまいがち。その途中で、さすがに自分に経験値が少ないことは分かっているので、直球系の質問が出てくるという格好だ。どうしてそこまで自信が持てるんだ?ということもしばしばで、みっちり説明してやらないとなかなか納得しないので、技術指導に当たっているベテランの2人としては、骨が折れるというか手間がかかるというか、ということらしい。
実際問題、今の時点で出てくる大きな疑問点というのは、おそらく、特許入門とかの研修の当初に一通り説明されるような事項ではあるのだが、そのような制度趣旨やら意味やら効果やらを通り一遍聞いたところで『ふーん』となるのが落ちで、それほど強く印象に残るわけではない。実務経験を重ねていき、壁にぶつかって、そのたびに趣旨やら何やらに返ることで、だんだん身についていくわけ。そういう意味では、ある程度実務経験ができてきた中堅どころを若手の教育担当に指名して、指導する側指導される側のどちらも教育効果を狙うというのが理想的なのだろう。
残念ながら、当社の場合、中堅どころがすっぽり抜けているので、理想的な教育環境は望めない。ベテラン担当は、技術者としての実務経験は長いが、特許担当としてしっかり経験を積んだり指導を受けたりしていないため、特許法側からの趣旨や制度の細かいところまでは腹に落ちきっていないところがあったりする。この状態だと技術と法律の知識バランスに偏りがあるので、素朴な疑問が全方位から飛んでくると、ストンと納得できる答えをストレートに返すのが時に難しい。
要するに、素朴な疑問というのは、答え手を選んでしまうということなんだよな、とここ最近思ったことだった。