標題のフォーラムに行ってきた。会場のニッショーホールが相当程度埋まる盛況で、遅れてくると中の方の席に(狭くて)入りにくいものだから、立ち見も出ていたようである。開会前に大勢の参加が見込まれているので席にコートなどを置かないでというアナウンスがあり、宿泊出張のため荷物が多くて占領していた私は慌てて通路にキャリーバッグを出し、コートを抱えた(らすぐ隣に座られたので正解だった)。
2004年に特許法35条改正、2005年施行から10年あまり、まだほとんど改正後の裁判例は出ていない現在、産業界が職務発明制度のフォーラムを主催するということで、いったいどんな過激な?提言が出るのやら、という感じだったのだが、今回は問題提起にとどめたということであり、締めのJIPA理事長挨拶にもあったが、皆さんもこの問題提起を踏まえて考えてほしい、という趣旨だったようだ。
いずれにしても、力の入ったフォーラムであったことは間違いなく、基調講演の三氏の発表はどれも非常に興味深く拝聴したし、産業界の代表を加えたパネルディスカッションもとても面白かった。私自身は改正がなされたときは特許事務所サイドにいたこともあり、あまり改正法対応の大変さを肌で感じてはいなかったし、管理工数が多大にかかるという話が聞こえてきてあまり積極的に検討もしてこなかったのが正直なところであったため、今回のフォーラムは、それこそ自分で問題を考える上で非常に貴重な機会をもらったと思っている。
資料が充実していて発表の時間が限られていたためまだ消化不要の状態だけれども、何回かに分けて紹介と所感を記して生きたいと思っている。リンク先にもあるけれども、フォーラムのプログラムを貼っておく。なお、資料は後日JIPAのホームページにアップロードされるとのことである。(※概要ページにアップロードされました)
■ 開会挨拶 13:30-13:35 澤井敬史 ((一社)日本経済団体連合会 知的財産委員会企画部会 部会長代行)
■ 基調講演 13:35-15:05
(1)職務発明制度に関する基礎的考察 弁護士 飯田 秀郷氏
(2)職務発明制度はイノベーション促進に有効か 一橋大学 長岡 貞男氏
(3)日本の制度との対比における欧米諸国の職務発明制度 ワシントン大学 竹中 俊子氏
■ パネルディスカッション (15:20-17:40)
モデレーター
石川浩氏(JIPA常務理事)
パネリスト
飯田秀郷氏(はる総合法律事務所弁護士)
長岡貞男氏(一橋大学イノベーション研究センター教授))
竹中俊子氏(ワシントン大教授)
柳川範之氏(東京大学大学院教授)
上柳 雅誉氏(セイコーエプソン)
鈴木崇氏(日立製作所)
森田拓氏(アステラス製薬)
■ 閉会挨拶 17:40-17:45 奥村洋一 (JIPA理事長)