シンポジウムのために上京した際、苦手なレセプションはパスして同じ時間帯で元右腕部下だった方と久しぶりに会って飲んだ。彼は、種々の事情で2年弱前に退職し、ライセンスを事業とする会社に転職しており、いわば川を向こう側にわたってしまっていたのだが、しばらく前にそこから足を洗ってこちら側に戻ってきたらしい。
で、言うことには、
そりゃねぇ、誰しも特許なんて使わなくてすむなら使いたくない、というより払わなくてすむなら払いたくない。だから、それは払う必要がある=特許を使っていますといわれても、なんだかんだ主張して使っていないと言いたいし、使っているかもしれないがそもそも支払う必要はない(無効だったり先使用だったり)と言うこともする、という格好になる。いやぁ、言われる側だったときはあまり思わなかったんですけど、権利行使をしてちゃんと取り立てるって大変ですわ。
なにしろ目に見えるものではないから、解釈の違いで結果が異なるわけで、有体物と違ってそういう議論が成立する土壌がそもそもある、ということで。
そういう意味では、言われたものをいかになぎ払うかを考えていればいい被疑侵害者側の方がすっきりしているということは言えるのかもしれない。だからといって楽なわけでは決してないけれども。