製品の機能の話じゃなくて、比喩的な話。
特許係争案件の関係でここ1ヶ月ほど「限界に挑戦!」のような仕事っぷりになっている。おまけにやっぱり法務側とどこまでがこちらのマターでどこまでがあちらのマターなのかが難しい。結局、手続き事項しかやってくれなくて、実体的な特許論、そこから見える方針決めとかはやらないといけないらしい。うーん、渉外の頃はそれぜんぶ自分でやってたんだけどなぁ。
んで、限界に挑戦状態なのは私だけではなくて、特許の主に技術面の解析をし、被疑製品の解析をし、両者を比較し、というところを中心にやっている下の人も同様の目に遭っている。彼は一応現在は部下にあたるなんだけど、扱いはほぼ同僚。動ける範囲も、任せられる裁量も似たようなものなので。得意分野が彼は技術寄りで私は特許寄りのため、特に係争時は補足し合ってちょうどよく、お互い冗談で「一蓮托生」と言い合っている。
で、法務サイドの方もほかの案件もあったりして、似たり寄ったりの状況にあり、この限界状態だといつ誰が倒れてもおかしくない。で、つらつら考えていて、法務側が誰か抜けても自分でカバーできるけど、上記のウチの下の人が抜けられると同じパフォーマンスを出すのはちょっと自信がない。効率が落ちること甚だしい。と直感的に思って、何でだろう?と考えた。
で、タイトルの通り、彼はブリッジ機能が突出して優れているので、直属に抱えているともの凄く使い勝手がいいのだ、ということに思い当たった。ブリッジ機能ってなにかといえば、
(1)技術事項との橋渡し
何しろ私は技術バックグラウンドがないので、一通り彼に説明してもらってから公報を読むのと一から読むのとではまるで理解の速さが違う。特になれない分野のだったり、用語の書きっぷりが日頃読み慣れているものと違う傾向だったりすると、自力で読み下すのはかなり労力がかかる。ここを助けてもらえるのは大変ありがたい。はじめのつかみの早さが全然違うんだもの。
(2)当社製品との橋渡し
同様に、製品の構造・電気的構成(回路から機能ブロックまで)も、質問してもさっぱりまともな回答が帰ってこない事業部開発者に突っ込んで根掘り葉掘り聞き出して組み立てて、特許との対比ができるレベルまで持ってくる。彼がやってもここは結構手間暇かかるんだけど、それでもなんとか使えるレベルまで(開発ができなければ外注先を引っ張り出してでも、自力で作ってでも)持ってくるのは偉い。これをやってもらえないとなると、自分で掘り出しに行かねばならず、これはけっこう手間がかかるし限界もあるだろう。
(3)社内人脈との橋渡し
社歴が長く(20年弱)、当社には珍しいプロパー社員であり、おまけに知財にくるまであちこち部署を転々としているものだから、上は役員から下はチームリーダーくらいまでかなり顔が利く。頭の回転が速く、小器用なこともあって、とりあえず「なんとかする」タイプなため、割と各所から情報も集まりやすく、相談ごとも持ち込まれやすい。このため、社内人脈が豊富で、なにかやりたいことが自部門だけでできない場合にどこにもちこめばやれそうかの当たりをつけるのがうまい。私はなにしろまだ転職して3年なので、このギャップを埋めてもらえるのはもの凄くありがたい。
とここまで書いて、ほんとに貴重な人材だわ〜と改めて思ったのだった。大事にしなくちゃ(の割に使い倒してるけどさ)。