知財渉外にて

2008年3月~2014年9月までの間、知財渉外ネタを中心に書いてきました。

2011-01-01から1年間の記事一覧

若手のギモン(14):及び/又は

クレームチェックをしていた若手2号君。「A及び/又はB」というフレーズに突き当たり、これ、草案を考えているときに、どっちにしようかな、と思っていてそのまま残っちゃったのかと思ったんですが。(そりゃないでしょう)A及びB、の場合と、AかBのど…

若手のギモン(13):上がり姿は?

2000年に出した特許出願の拒絶理由が来た。最近中間処理をぼちぼちやってもらっている若手2号君が興味深そうに見ているので、おもしろ半分に(失礼)、『やってみる?』と聞いたら、『はい是非!』と非常に前向きな答えが返ってきた。が、本願の公開公報をみて…

今週は

2月の振り返りをしたときに週次レビューをしてみるとか無謀なことを書いたので、最初くらいは書いてみる。今週は、金曜が予算の一次案の提出〆切で、それに明け暮れた。もちろん大体提出要求の期限予想はしていて、備えてもいたのだが、実際に正式に出せとい…

どこまでOK?:回答編

さて、長文のメールを送った翌日、くだんの若手さんから返信が来た。登録済のロゴからかけ離れたデザインだと、同一と見られなくなるリスクがあると思います。 同一と見られなくなる、ということは、「使用していない」として、 第三者から不使用取消をかけ…

若手のギモン(12):どこまでOK?

今回は、商標を最近始めた若手さんのはなし。登録されている自社の商標を使うとき、どの程度までのデザイン変更なら許されるのか?とデザイン部門から問い合わせを受けたけれど、どう答えればいいのでしょうか?以下、彼女の質問に対して返したメールをほぼ…

2月の振り返り

あっというまに今年も2ヶ月が過ぎ、今月の振り返りをしようとして気がついた。やっぱりここ1ヶ月のことでもさっぱりなにしたか覚えていないって。これは週次レビューをしろということでしょうか・・・。ぼんやり思い出しつつ書いてみる。 体調 残念ながらガ…

品質問題?

弁理士と弁理士試験のブログのドクガクさんが、『明細書の過剰品質についての疑問』という記事を書かれていて、Twitter上で話題になっていた。どうやら、彼の問題意識は、明細書が高品質かどうかを量るには種々の評価尺度があると思われるのに、顧客から要求…

知財部員に求めるもの

先日書いた『特許事務所とのつきあい方』のエントリを読まれたアマチュアサイエンティスト(アマサイ)さんが、ご自身のブログでこれをネタにした記事(『それは戦略でも戦術でもない』)を書かれている。それを巡って、Twitter上で話がけっこう盛り上がった…

ストレスじゃなくて花粉症らしい

三連休に更に1日くっつけてお休みしてスキーに行っていた先週ですが、もう絶不調で、行きの車の中で爆睡、着いた宿で昼寝、ようやく中1日滑るのが精一杯。帰ってきた翌日も寝倒してしまいました。行く前の日も目が痛いとか顔が痛いとか肩がやたら凝るとかあ…

特許事務所とのつきあい方

先日関西の某社の知財部長氏の話を聞く機会があった。同社の出願件数が年間約1500件で知財要員が40人弱。普通で考えるとかなり少ない。少ない人数で達成するために、『質のよい丸投げ』をするようにしているとか。かつては同社もごく普通の?企業のように、…

若手のギモン(11):発明のカテゴリ

先日特許事務所面談を行った案件のクレーム案をチェックしていた2号君がおもむろに言うことには、クレームの立て方についてお聞きしたいんですが。(コイツの質問の仕方って、いつもえらい大上段なんだよなぁ・・・。)よく、1つの出願の中で、メインの独立ク…

得手不得手

知財協の専門委員会への委員推薦案内が送られてきて、各委員会の人材スペックが出ていたので、グループメンバーとつらつら眺めながら、その委員会にはどんな人が来ているか、自分ならどこが行けそうか、などという他愛もない話をしていた。検索系とか管理DB…

レイヤーを分けて考えるというか、内部関係というか:Indemnification

少し前に、Indemnification関連のエントリを書いた。顧客からの通知ではなく、自社が特許侵害で警告を受けたり訴えられたりする通常の案件の場合でも、似たようなことは行う必要がある。発生した直後に、対象特許と被疑製品の関連度を調べるが、その際、もっ…

滞るとき

しばらくブログの更新が止まったりすると、よく、『お忙しいようですね』と言われるのだが、実はちょっと違う気がする。忙しくてもまめに更新しているときはしているのだ。更新ができないときの理由は大別して2つある。(1)ネタがない (2)エナジーレベルが低…

再会

とある会合で初職の上司に会った。1年に1度ここで会うだけになってるねぇ。と言われたが、それでも会える機会があるのは嬉しい。共通の話題がないので話はさっぱり弾まないんだけどね〜、とか思っていたら、あなたもそろそろいい歳なんだから、今後のキャリ…

若手のギモン(10):自衛のための特許

特許侵害警告や提訴を受けた場合、ライセンスという形で決着することがある。そして、相手が事業会社であれば、こちらにライセンスできるような特許の持ち札があれば、それを持ち出して相殺するとか、減額のネタにするとかは常套手段である。という話を若手…

知的財産権訴訟における実務上の諸問題

弁理士会で標記テーマの研修があった。講師は、東京地裁47部の阿部判事。『実務上の諸問題』とかあったので、近似のトピックスを中心としたマニアックなものかと想像していたら、当日資料のタイトルは『知的財産権訴訟の実務(特許権侵害訴訟を中心として)』…

2011年1月の振り返り

2011年も1ヶ月が過ぎた。1年の振り返りじゃ忘れてしまっているので難しいから3ヶ月ごとに振り返ろう、とか書いたけれど、よく考えたら毎月振り返ればいいのでは??3月終わって旅行に行くのはスケジュール的に難しいことが判明したし。。ともあれ。 体力方面…

若手のギモン(9):中小企業の特許戦略

とあるセミナーで、「中小企業の特許戦略」について聞いてきた若手2号君。帰ってきて言うことには、当社は中小企業なんでしょうか?そこかい。早期審査が無条件で請求できる『中小企業』の定義には(かろうじて)入っていませんねぇ。大企業じゃないとは思いま…

イシューからはじめよ

BLJの2011年3月号の書評欄で見かけて即ポチった本。イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」作者: 安宅和人出版社/メーカー: 英治出版発売日: 2010/11/24メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 48人 クリック: 660回この商品を含むブログ (142件)…

切り分けて考える

ずいぶん更新が空いたのは、大きな会議を主催したら燃え尽きたというか、気が抜けて体力も気力も底をついたのでアウトプットパワーが残らなかったからです。。。渉外業務の話。なんだか引き継ぎがうまくいってない、ということをさんざん書き散らしているの…

質問に答える、とは

若手2号君の話ではなくて。Yes-No Questionというのがある。Aですか?という単純なもの。答えは、YesかNoかの二択である。上級編?として、選択疑問文がある。Aですか、Bですか?だ。答えは、Aです。Bです。あるいは、どちらでもありません。Cです。と…

若手のギモン(8):出願前公知

週1ペースでブログネタにしようと思っていたのに最近質問がないな〜と思っていたら、そんなオーラが出ていたのか(笑)、今日は久し振りに若手2号君から質問があった。当社では、製品に実装する発明の出願をする場合、出願期限を製品発表を基準に決めてると思…

部下の叱り方?

Twitter上で、ダイヤモンドオンラインの『叱ってもへこまないのになぜ辞める?ゆとり社員が厳しい先輩に抱く本当の不満』という記事が話題になっていた。これを読んだフォロワーさんから、質問攻めにするうちの若手2号君を思い出したと言われたので、読むと…

おめでとう。そしてこれから

元の勤務先事務所の特許技術者がこの秋弁理士試験に合格したので、内輪でお祝い会をした。企業の開発系から特許事務所に転職してきて8年ほど、しばらく仕事に慣れてから弁理士を目指して本格的に勉強し始めたものの、試験と相性が悪かったというか、実力は周…

商標基本のキ?

色々経緯があって現状商標業務は担当者が部長直で奮闘している。この担当が、体調不良で暫くお休みになってしまったため、いくらなんでも担当業務まで部長が処理するわけにもいかず、急遽別のメンバーを担当に充てることに。いずれにしても東京支店サイドの…

若手のギモン(7):外国出願時のフィードバック

色々試行錯誤の中、外国出願を国内出願の担当事務所とは異なるところに依頼してみたりしている。このような外国出願の翻訳原文の納品時、「記載不備の拒絶理由を招来する可能性がある記載が基礎出願に存在する」旨のコメントがあった。国内出願の明細書作成…

Indemnification交渉の窓口

サプライチェーンの上流から下流までを自社でカバーしているわけではない以上、特許侵害事件について、顧客から特許補償を求められることがあり、また、仕入れ先へ補償を求めることがある。案件によっては、両方が同時に起こる。すなわち、顧客から、以下の…

読了:起業のファイナンス

磯崎哲也(@isologue)さんの『起業のファイナンス』、読了しました。起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと作者: 磯崎哲也出版社/メーカー: 日本実業出版社発売日: 2010/09/30メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 28人 クリック: 696回この…

トレーニング初め

本日は、夫や息子のアッシー(死語)な一日だったのだが(明日も息子の送迎は続くが)、その合間を縫って今年初めてジムに行ってきた。というか、前回言ったのは先月半ばだったが(汗)。とりあえず、インボディ測定をしないことには、今年の目標が設定できないじ…